STEP4 Using(利用)


(1)捕獲
 育て上げたコオロギを採り出す作業は,意外に大変な作業です.ましてや,掃除のために全てを採り出すとなると収集がつかなくなることがあります.この様な場合,いかにしてコオロギを取り出すことが有効なのでしょうか.当社で実施している方法を紹介しておきます.当社で実施している方法は,飼育ケース内で直接コオロギを追い回して捕まえるのではなく,コオロギの付いた新聞紙ごとすばやく取り出し,腰高で底面積の小さい容器(高さ60cm程のゴミ箱等)に一度移してしまうのです.そして,其の容器内でコオロギを振り落とし,捕獲を行うのです.腰高の容器内に落とされたコオロギは飛び跳ねますが,高さがあるために脱走することができなくなります.しかも,底面積が小さいので,コオロギの逃げる距離が短く,意図も簡単に捕獲できるというものです.単純なことですが,沢山捕まえる時には非常に有効な手法ですので,お試し下さい.

 (2)与え方
 捕獲したコオロギを生き物に与える時には,いくつかの注意すべき点があるので述べておきたいと思います.
 まず,すぐに食べ尽くさない量以上のコオロギは入れない.これは,本記事を読まれるような方は恐らくないと思うのですが,餌もただ与えれば良いというものではありません.喰われ損ねたコオロギは飢え,あなたの愛する生き物をかじり出すかもしれませんのでご注意下さい.

お勧め栄養剤ミネラオール
弊社でも取り扱っています。どうぞご利用下さい。
ミネラオールを塗したコオロギ
パウダー状の為、付着性能が非常に優れています。

栄養剤について、
 この飼育法を最初に書いた頃は、まだネクトンレップの様なきつい栄養剤しかありませんでした。その為、過剰に栄養剤を塗すことへの警笛を本ページでも鳴らしていましが、現在は、安心して使える栄養剤が数多く市販されるようになりました。特に、「ミネラオール」はカルシウムが他の栄養素の緩衝材となっており使い易いです。また、コオロギに塗す場合もそのままで付着性能が各段に良く(昔は、コオロギを濡らしてからカルシウム剤を塗していた)、非常に便利ですのでお勧め致します。弊社でも取り扱っていますので、よろしければご利用下さい。


あとがき
 以上,コオロギの飼育について長年の経験を踏まえ,できる限り家庭で飼われる場合を想定して書きました.至らない部分もあるかと思いますが,このマニュアル通りの飼育を実行して頂ければ,従来解説されている手法よりは格段に手間をかけずにコオロギの増殖ができるものだと思います.また,この飼育法をご覧になっている方は,生き物に対してかなりの愛情を持っている方だと思います.その様な方であればこそ,さらに良い飼育法を自ら開拓していかれるのではないかと思います.我々も更に良い方法を模索しながら飼育していきたいと思いますし,生き物を飼育している以上は,常にそういった姿勢を忘れず取り組むべきだと思っております. 
 弊社の飼育技術が生き物を飼育している方にとって一助となれば幸いです. 

弊社で好評発売中の給水器の作成に関するコダワリをこちらにまとめました。是非参考にして下さい。